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ノースレイク夏の99冊 2017

新潮文庫『夏の100冊』に勝手に対抗しようと思いつきで始めたノースレイク『夏の99冊』も今回で3回目となりました。今年もノースレイクと激しく、または、淡く(笑)縁のある約30名のみなさんのご協力のもと、こうして世に送り出せたことこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました!!!今回もおかげさまで個性的で濃厚な99冊となり喜んでいます。また、今回は映画を1本づつ選んでいただきましたが、これも見事にダブらず33本が集まりました。選者の皆さんの映画の見方もとても新鮮で、興味深かったです。未見の映画もたくさんあって休み前夜の夏の夜に映画館で見ることができたら最高だな!この冊子を手に取っていただいた方に楽しんでもらえたら幸いです。

1.
内山 春雄
バードカービング作家/木象嵌作家
https://rakudo-bird.jimdo.com
⃝フィンチの嘴―ガラパゴスで起きている種の変貌 (ジョナサン・ワイヤー)
何回読んでも新しいし、何回読んでも発見があるので飽きません。
⃝青春の門(五木寛之)
山崎ハコの歌そのもののオリエが出てくるこの本を富山の修行時代に、もと女郎屋の下宿で読んだのを思い出します。女の怨念が染み付いた、寒い部屋でこの本を読みました。種は、みな暗い土の中から這い上がります。這い上がろうとして、もがいています。
⃝あだこ(山本周五郎)
人情話が好きで繰り返し読んでいるのですが、未だに飽きません。
●ウォーク・ザ・ライン 君につづく道(2005年/米/ジェームズ・マンゴールド)
7回観てます。

*2月に開催した内山さんの「ハワイミツスイ復元の旅」本当に面白かったです。内山さんになんとか続編を話していただけないか模索しているところ。

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2.
モリヒサ ケイコ
デザイナー/創作家(紙モノ・陶芸)
⃝南の島のティオ(池澤夏樹)
池澤夏樹が児童向けに書いた本ですが、大人にもおすすめの一冊。南の島で父のホテルを手伝う少年ティオが主人公の10の短い物語です。ファンタジーなのにどこか現実のような不思議な物語の数々。読み終えた後に心地よい余韻が残ります。巻頭の島の地図や挿絵(杉浦範茂による)も素敵。南の島の気持ち良い風を感じられる夏にぴったりの一冊です。
⃝前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って (森下典子)
「あなたの前世はイタリアの彫刻家です。」取材で出会った前世が見えるという女性にそう告げられたエッセイストが、疑いを持ちながらも真実を追究しようとイタリアまで行ってしまう話。まえがきにもありますが、こちらは『すべて事実』のお話です。前世や霊能力に対して最後まで疑いを持っている著者。そんな著者が重ねていく不思議な体験に引き込まれます。冒険の中で集めた膨大な資料からひとりの彫刻家の人生が明らかになっていく様子は前世を信じる信じないに関わらず楽しめる一冊です。
⃝鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学(フジイキョウコ)
自然が創り出す、時に不思議で美しい造形を、菓子や植物に見立てて紹介するちょっと変わった鉱物図鑑。ため息がでてしまうような美しい写真ばかりで、写真集のように眺めるのも楽しいです。石の説明にとどまらず、鉱物にまつわる文章の引用もあり読みものとしても◎。夏の夜にゆっくりと眺めたい一冊です。
●フラガール(2006年/日/李相日)
何度観ても飽きない名作。蒼井優の透明感が際立っていて、フラのシーンは素晴らしい…!

*9月6日よりエハガキ華さんとの「郵便アソビ展」が当店にて始まります。ケイコさんのデザインワークは以前から注目していましたがスパークの予感!期待してます。

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3.
安田 寿之
音楽家
http://www.toshiyuki-yasuda.com
⃝異邦人(アルベール・カミュ)
2015年の選書の際に、他の方と被ってしまいそうだなと避けたのですが、やはり夏と言うと頭に浮かんでしまい選びました。母親の葬儀で涙を流さないような奴だから殺人を犯しかねない、という不合理な審判で述べられる「太陽のせい」というこれまた不条理な殺しの動機が、説得力を持って迫る。それほど、灼熱の太陽を1冊を通してジリジリ感じます。嘘のような真実より、ドラマになりやすいオルタナファクトを民衆が選ぶというリアル。
⃝ブエノスアイレスに消えた(グスタボ・マラホビッチ)
美しく腐敗したブエノスアイレスの街からパラナ川奥地の鬱蒼とした密林に、失った娘を追い求める男の旅。やめられなくなるスリラーTVドラマのようだと思ったら、作者は本当にドラマや映画を手掛ける脚本家とのこと。様々な虫が比喩やキーワードに使われ、とても映像的です。映画化希望。主人公のファビアンは、ベニチオ・デル・トロ辺りかな。私立探偵のドベルティは、ジュード・ロウと決まっている。ショッキングなことになるのですが。
⃝パニック・裸の王様(開高健)
収められた「流亡記」が印象的。時代も場所も特定されない(秦?)小さな町に、ひたすら壁(万里の長城?)を築き続ける様子を一人の民衆の視点がドキュメントする。強者は奢り、弱者は阿り、人間が虫けらのように使われ殺される残虐極まりない世界。その描き方がドライかつパワフルで、臨場感があります。孤立する砂漠の中で侵入を防ぐ目的だった壁が、いつの間にか建設そのものが目的にすり替わり、その中でもひたすら人々は刺されえぐられ刻まれ潰され、ありとあらゆる手段で惨殺され続ける。酷すぎて無気力になってしまう、あの感じ。壁はおそらくいまだに完成せず、生まれた時からあまりに自然に存在しているため、気付かないうちに私たちも建設に携わっていることを知らない。
●スイミング・プール
(2003年/英仏/フランソワ・オゾン)南仏の真夏、プールで起こる殺人事件。スランプの中年イギリス女流作家と、若く奔放なフランスの女の子という奇妙な組み合わせ。ゾクゾクしますね。パトリシア・ハイスミスのような作家が書く内容が映画自体とリンクするというメタ性、起こっていることは一つのはずなのに妄想や視点が入り乱れ何が真実かわからなくなるVR性が面白い。もうすぐできそうなVR映画というのは、SFなど子供っぽいジャンルだけではなく、こういうミステリーや社会問題系などにこそ応用されるといいな。

*いつかNLCBでライブを!と言ってだいぶ時間がたちましたが、必ず安田さんはやってくださると信じています。元 FPM。

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4.
下田 昌克
絵描き
http://shimodamasakatsu.com
⃝夜になるまえに(レイナルド・アナレス)
キューバ出身のレイナルド アレナスの自伝。映画化もされて映画もいいけど本はまた凄まじく素晴らしい。
⃝ワイルド・ソウル(垣根涼介)
圧倒的におもしろいストーリーとずっしりと壮絶な設定のリアリティ。その中をケモノのように走り抜ける魅力的な主人公から目が離せなくなる(文字なのに)
⃝恐竜がいた(詩 谷川俊太郎 絵・恐竜制作 下田昌克)
自分の本でもうしわけないですが、この恐竜をテーマに書かれた谷川俊太郎さんの詩が本当に好きで好きで、「うんこのおかをのぼって おしっこのあめにぬれたい」
とか、超かっこよくてみずみずしくて美しい。
●嗚呼!おんなたち猥歌(1981年/日/神代辰巳)
最近、映画館で観る機会があったのですが、
やっぱりかっこいい!
ロックンロール‼︎

*一度ご来店くださり、幸せなことに私の絵も描いてくださったことがある下田さん。選書をお願いした時期がちょうどこちらの開幕準備と重なっていたのに関わらずご協力いただきました!

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5.
染谷 善之
経理アウトソーシング会社勤務
⃝梅原デザインはまっすぐだ!(梅原真×原研哉)
高知を拠点に一次産業を盛り上げる面白いデザインを発信している、やんちゃで感覚派な梅原氏と、
日本デザインセンター代表の知的で理論派な原氏、芸風の違うふたりのグラフィックデザイナーのかけ合いが楽しく、読むほどに梅原氏の魅力にどんどんハマっていく。既存の枠組みを疑うところから始めて、自分にしかできない仕事をやってのける様が痛快。自分も何かやりたい、という気持ちにさせてくれる1冊。
⃝ミナを着て旅に出よう (皆川明)
かわいいもの好きな女子が愛してやまないミナペルホネンの、デザイナーってどんな人なんだろう?
さぞや、ヤサオトコなんだろうなぁという予想を裏切る、硬派で骨のあるデザイナー皆川さんの、過去のことや、考え方を知ることができる。自分に正直に、良い意味の頑固さを持ち続けたいと思わせてくれる1冊。
⃝小屋から家へ(中村好文)
建築家の中村好文さんの設計した住宅は、スッキリとシンプルなんだけど、単にモノが少ないのとは何かが違う、いかにも住み心地が良さそうで、温かい雰囲気がただよっています。屋根裏や押入れ、階段の踊り場、窓際のちょっとしたスペースを、じっくり見つめなおすと、もっと魅力的な空間にできそうな気がしてくる。住むことを楽しみたいという気分にさせてくれる1冊。
●スタンド・バイ・ミー(1986年/米/ロブ・ライナー)
何度見てもワクワクさせてくれる映画。
少年が成長していくときに体験する、ワクワク、ドキドキ、ザワザワした気持ちを、一緒になって味わわせてくれる、夏にぴったりの映画。リバーフェニックスの白T、ジーンズ、スニーカーの着こなしが、とてもカッコイイ!

*「文房具日和」を以前開催してくれたコアな常連さんであり友人でもあります。現在は店で出会った友人たちと組んでバンド練習中。いつかライブを見たいなあ!

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6.
二コラ・ジョーンズ(Nicola Jones)
西ノ島町観光協会(島根県)職員
www.nkk-oki.com
⃝ダーリンは外国人(小栗 佐多里)
旦那は日本人で、日本では私は外国人扱いですね。ニュージーランドでは国があまり関係なくみんな同じ人間。このコミックは日本人と外国人の言葉、文化、習慣などの違いの不思議さと面白さをよく教えてくれるものだと思う。笑いながら読むといい!映画化されて、それも面白い。
⃝Hairy Maclary from Donaldson’s Dairy(Lynley Dodd リンリー・ドッド)
私のふるさとニュージーランドのタウランガ市出身の作家で、犬と猫のかわいい絵本を書く。物語は面白く、英単語のリズムがよく、主人公があまりにも弱くてかわいい!家の近くの絵本に出る犬・猫の銅像の公園ができた。
⃝A Lion in the Meadow(Margaret Mahy マーガレット・マーヒー)
小学校のとき、図書館でよく読んだ本。作家が学校に来てくれて、とても嬉しくて良い思い出ができた。イラストも物語が面白く、子供から大人まで楽しめる絵本です。Margaret Mahyはニュージーランドでは子供のヒーローのような方だと思う。クライストチャーチ市にMahy氏の絵本に登場するキャラクター等の銅像がある公園までできている。
●The Whale Rider(クジラの島の少女)(2002年/乳独/ニキ・カーロ)
ニュージーランドの先住民マオリ族の文化の中にクジラの大切さが物語になっています。とても感動的な映画で美しい景色と伝統文化に感動される映画です。

*共通の友人が「我孫子のバードフェスに隠岐から友人が出展してるから行って!」という指令がきて知り合いました。ブラウニーを「懐かしい!ママの味!」と言ってくれたのが妙に嬉しかったな。この秋も来てね。僕もいつか隠岐上陸したい。

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7.
成田 京子
呉服屋
⃝嗤う伊右衛門(京極夏彦)
京極流「四谷怪談」。正気と狂気、愛と憎、この主人公の岩は左半身は醜く崩れ、右半身はこの世の
ものとは思えなく美しい。身の毛のよだつ残酷物語から転じて、世にも美しい純愛物語。
⃝薬指の標本 (小川洋子)
楽譜に書かれた音、顔に受けた火傷の跡、封じ込めたい思い出を人々が持ち込む標本室。
結晶となった思い出は色褪せることなく、いつまでもそこに保管される。そしてそこで働く主人公もまた、愛する人に絡め取られて、いつしか標本となるのだろうか。信じる信じないに関わらず楽しめる一冊です。
⃝きみはポラリス(三浦しをん)
細い線をつないで、誰かと夜空にうつくしい絵を描くこと。8歳の冬の日からずっと、強く輝くものが私の胸のうちに宿っている。ー誘拐された主人公の女の子と誘拐犯との心の交流を描いた物語「冬の一等星」他、宗教や歳の差など様々なテーマで描かれた個性あふれる恋愛物語。昔から、洋画タイトルに「愛と…」という邦題がつくと観る気が途端になくなる私が、あえて選んだとても好きな恋愛小説三冊です。
●ダージリン急行(2007年/米/ウェス・アンダーソン)
これを観ると列車でどこかに旅立ちたくなります。ウェス・アンダーソンの映画はサントラも最高。

*地元のことからカルチャーのこと、いろいろ教えてくださるご婦人。独特な空気と視点が新鮮です。

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8.
作田 朋子
グラフィックデザイナー (フランス在住)
http://www.atelierlune.net
夏の日の間延びしたような昼下がりに、読みたくなる本を選びました。
⃝夕べの雲(庄野潤三)
静かな波のような平凡な日常がこれほどまでに愛おしく、過ぎ去ってゆく時間がかけがえのないもになる。淡々と続くちいさな家族のちいさな暮らし、それを読ませてしまうのが、この作家のすごいところだと思います。
⃝遠い水平線(アントニオ・タブッキ)
ある夏のイタリア、ミステリーのようでありながら、さすがタブッキ、そうはいかない。記憶、存在、現実と幻想、あらゆるものが曖昧になって暑さに溶けていく、その中で探し求める水平線。
いつまでもこの物語を読んでいたいと思った作品です。
⃝水と水とが出会うところ(レイモンド・カーヴァー)
カーヴァーの短編が素晴らしいのはもちろんですが、詩もなんともよい味わいがあります。シンプルな表現だけれど、心の深くに触れる言葉にゆさぶられます。遠い国の知らない町のあの人と、同じ気持ちを共有しているような、じんわりとした感動に包まれます。じっくりと腰を据えて余韻を楽しみながらどうぞ。
●猫が行方不明(1996年/仏/セドリック・クラピッシュ)
パリ11区、主人公が夏のヴァカンスから戻ると預けていた愛猫グリグリが姿を消してしまう。猫をめぐる近所の人々との物語。冴えない、地味だが濃いキャラクターのパリの人々の生きる姿はかっこよくもないし、容量もわるくて失敗ばかり。けれどもどこか憎めずおかしさがこみあげる。素顔のパリの姿、ラストは軽やかでしあわせな気持ちに。

*はじめは確かTumblrでお見かけして〜Twitter経由〜instagramと続いております。本の趣味が似ている部分もあっていつも参考にさせていただいています。

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9.
矢野・三重・安子
主婦
⃝北原白秋詩集
夏の昼寝の枕元に。独得の言葉使いとリズムが、いっぷくの風を呼びます。
⃝ツバメ号とアマゾン号(アーサーランサム全集第1巻)
イギリスの児童文学の傑作。夏休みの子供達の冒険小説。子供達と共に、船に乗って湖上へ。ぜひ、ハードカヴァー版で読んで下さい。著者がイラストも描いています。手賀沼を走るヨットに、彼等が乗っているかもしれません。
⃝ノーザンライツ(星野道夫)
写真家と文筆家であった著者のすべてが詰まっています。夏に北極を味わうのも楽しい。
●大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院(2005年/仏瑞独/フィリップ・グレーニング)
2時間50分、照明や音楽・ナレーションも加えない、本物のドキュメンタリー映画。悪意に満ちた世界の中での、唯一の人間の良心・哲学・信仰・光を観ることが出来ます。

*地元の先輩でもある矢野さんは元出版社勤務ということもありすごい蔵書でした!いつもありがとうございます。

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10.
高橋 孝之
GU Excellent おしゃリスタ
⃝ガダラの豚(中島らも)
アフリカの最強呪術師VSアル中大学教授のスペクタクル長編小説。中島らもといえば、<今宵すべてのバ-で>等、自伝的エッセイが多い中、なかなかの大作です、B級ハリウッド映画感覚で楽しく読ませていただきました。
⃝神々の山嶺(夢枕 獏)
エヴェレスト単独無酸素登頂に挑む、登山家のお話で、映画化されました。海抜5000m以上での人類は一部例外を除いて(高地民族)、細胞が日々死滅していく等、とても過酷でリアルな内容に感動しました。
⃝インナ-・トラヴェルズ(マイケル・クライトン)
かのジュラシックパ-クの原作者、マイケルの自伝小説です。ハ-バ-ド大学の医学生時代に、<宇宙からの物体X>で売れっ子作家となり、映画化もされ、20代にして、セレブとなった半生が書かれています。
●黒い十人の女(1961年/日/市川崑)
大映黄金時代に作られた珠玉の1本、あの<東京オリンピック>の市川崑夫妻の傑作です。大映の女優陣も、岸恵子、山本富士子、岸田今日子と豪華、船越英二の脂ののった中年の2枚目も素晴らしいです。近年、テレビでドラマ化されたようですが、船越英一郎ではどうでしょう?大映作品では、増村保造監督作品が好きですが、今回はこれを選ばせて頂きました。

*ゴールデンウィークのGONZI NIGHTは盛り上がりましたね。ありがとうございます!ちょっと先輩の高橋さんとの音楽や映画の話はいつも時間を忘れさせてくれます。

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11.
岩城 里江子
(旅する)アコーディオン弾き
http://rakurie.wixsite.com/raku-house
最近ね、かっこいいものより、実際にからだや心や魂がシアワセにふくらむものがいいなあと思うのです。静かでも勢いがあっても力がみなぎっていて、明日、いや今日からの活力と滋養に満ちているもの。
⃝PRIVATE WORLD(下田昌克)
下田さんが100万円と色鉛筆持って2年間世界中を旅した圧倒的な記録、顔、顔、顔、たべもの、自由。
⃝旅をする木 (星野道夫)
強い優しさを持って人と自然と関わる星野さんの言葉のエネルギー。
⃝食堂かたつむり (小川糸)
迷い込んだ島の自然と人と暮らしの中で自分を思い出し、たくましく開かれていくかたつむりの「私」
●人生フルーツ(2016年/日/伏原健之)
人生フルーツには、未来の子供たちのためにこの社会の「土」をよくしようと、日々を丁寧にどこかかわいらしくもある美意識で労り合いつつこつこつと重ねているご夫婦のすがた。毎日の積み重ねがひとの人生をつくる。柔らかくすがすがしく心のお洗濯されました。

*いつも岩城さんの助言と笑顔で助けられています、私たち。8月1,2,3日は柏で3日連続ライブだそうですよ。夏バテの心と体を元気にしてくれるはず!

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12.
遠藤 悟
K.B.SCOOTERS
http://kbscooters.exblog.jp
⃝雪沼とその周辺(堀江敏幸)
雪沼いう架空の町を舞台にした7つの物語が収められた連作短編集。雪沼を舞台に大きな事件が起きるでもなく静かに、それぞれの物語に薄っすらと繋がりを感じさせながら日常が丁寧に描き出されていく。情景描写が素晴らしく、自分も雪沼の住人になったかのような錯覚を抱きながら読み進めているうちに本は終わりのページに。夏の夜に、ビールなど飲みながら読めば更にお酒が美味しくなる、はず。
⃝葛西善蔵集(新潮文庫)酒に溺れ、酒に浸り、酒で身を亡ぼす。更に、女にもだらしがなく当然家庭も崩れていく。そんな葛西善蔵の私小説。作品の為に屑な行為を重ねるのか、それとも屑が故に作品が生み出されていくのか、、、素の葛西善蔵が気になりだす。気になるけど調べはしない。作品という中に描かれた葛西善蔵の姿だけで充分。その答えを想像しながら夏の暑い日に飲むビールはきっと、美味しくないな。こんな人、身内に居なくて良かった。
⃝生命潮流―来たるべきものの予感(ライアル・ワトソン)この本を初めて読んだのは中学3年生の時。本の内容の大半は理解できませんでした。と言いつつも本の中に出てくる「百匹目の猿」や「ニトログリセリンの結晶化」等のシンクロニシティに関するエピソードを読み興奮を覚えました。「意味のある偶然の一致」そんな事あるんだと素直に信じたあの頃。それらのエピソードが全て作り話だと知ったのは大人になってから。といってもライアル・ワトソンの事を恨みはしません。むしろ感謝しています。宇宙、生命、意思、そんなものを考えるきかっけとなりましたから。そんな事を思いつつ、青い頃、中学3年生の夏の日の自分を思いながら飲むビールは、不味い。今となっては精神世界など欠片も興味がないし信じてもいない自分にもそんな頃があったなと思い出させる1冊。
●フィメール・トラブル(1974年/米/ジョン・ウォーターズ)
ジョン・ウォーターズ監督、主演はジョン・ウォーターズの出世作【ピンクフラミンゴ】と同じディヴァイン。内容は、酷過ぎて詳しく書けません。エログロナンセンスの極み。悪趣味に悪趣味を重ねていく最低の内容。最低な主人公、ドーン・ダベンポートの女の一代記作り上げられた狂気が加速していき、いつしかその狂気は純粋なる狂気となる。10代後半の頃に観た時はドーンの純粋さにやられてラストシーンに咽び泣いてしまいました。あんなに感動したのに、今見るとビックリする位泣けない。人は大人になる。人の価値観ってのはこんなにも変わるもんなんだなと強く感じた1本。

*柏のVespa専門店。昔は古本屋さんを営んでいたという、遠藤さん。さすがの選書センス、コメントも最高ですね!

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13.
Dee Inagaki
http://www.deegraphics.net
Rock’n Roller, Father
どんな事でも好きなことを極めるって素晴らしい。
⃝オーパ (開高 健)
⃝旅をする木(星野道夫)
⃝SURF IS WHEREVYOU FIND IT(ジェリー・ロペス)
●ビル・カニングハム&ニューヨーク(2013年/米/リチャード・プレス)

*Dee氏はNLCBのホームページをデザインしてくれた方。夏休みに遊びに行こうと思ってるんだけどいるかなあ?

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14.
渡邊 一弘
Permanent
http://www.permanent1994.com
⃝青春を山に賭けて(植村直巳)
最初のサンフランシスコ旅行の時に読んだのでその時の自分とリンクしました。
⃝亀の島- tutle island(ゲイリー・スナイダー)
カウンターカルチャーへの入り口になった本です。
⃝グレープフルーツ(オノ・ヨーコ)
後から解けてくる感じが現代美術です。
●ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年/ 米/ アルフォンソ・ゴメス=レホン)
映像がアーティスティックです。

*日本で一番かっこいい洋品店は静岡にあります。そこを営む渡辺さんとは20年くらい前によくアメリカに出張に行きました。

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15.
瀧川 恵美子
レストランタキガワ(フランス料理店)マダム
https://ameblo.jp/cow55/
⃝堕落論(坂口安吾)
20代の頃、自分をとりまく環境を変えたくても私の力ではどうにもならないときに出会った本。「人間は人間である」「人間は堕落する」「堕落は孤独である」「人生はつくるものだ」・・・・あのころ本に鉛筆で線を引いた言葉の一部“現実を受け入れて、そこからはじめて、自分の好きなように生きればいいのだ”と目の前の霧が晴れたことを思い出します。30代・40代・50代・・・と節目ごとに読み返す本。年齢を重ねるごとに感じ方は変わってきます。
⃝そのときは彼によろしく(市川拓司)
「ぼく」が13歳のときに「彼」と「彼女」と「トラッシュ」に出会ったときから物語は始まります。夢を持ち続けて店を持った大人の「ぼく」あの「彼女」に再会 さらに「彼」に再会 そして「彼女」との別れ。読み進みながら、えつ?うそ!そんな!なんで?うける(^^)まさか?!と引き込まれた本。最後は絶対にハッピーエンドになってほしいと祈りながら・・・。物語は時が流れて街並みが変わり、人も変わっていきます。それでも「ぼく」の日々の生活を歩む歩幅が変わらず前を前を歩き続けます。私はそこに“強さ”を感じました。さてハッピーエンドになったでしょうか?気になる方ぜひ読んでみてください。
⃝シェフを「つづける」ということ
(井川直子)本の帯にある言葉「10年で奇跡」「30年で伝説」店を営むこと特に個人の飲食店は大変であることを実感しています。2002年にイタリアで修行をしたシェフを取材した筆者が10年後再び取材をする。10年間で料理の世界も変わっています。それぞれのシェフがどこでどんな店でどのような料理を作っているのか興味深く読みました。料理が好きであることが続けられる大切なこと、しかしそれだけではない。お客様や家族、食材を提供してくれる人たち、その街の人々・・・などの支えがあってこそ。改めて私も自分の店のあり方を考えました。レストランを利用する人たちにもこの本を読んでどんな想いでシェフたちが料理を作っているか知ってもらえたらと思います。
●クレイマー、 クレイマー(1979年/米/ロバート・ベントン)
ダスティン・ホフマンが好きなのでその中からこの1本。父性を問う映画。父子の絆が深まるとフレンチトーストがうまくできる場面が好きです。

*ケビン・スペイシー似のシェフと二人三脚で長年フレンチレストランを経営されてらっしゃるマダムは、僕らにとって校長先生のような人。

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16.
小池 高弘
イラストレーター/ライター
http://tabletalk.cc/blog/
夏といえばお盆。僕にいつまでも影響を与えてくれる4人に感謝しながら、先輩たちが残した作品をじっくりと堪能する。そんな有意義な夏休みにしたいです。
⃝日本の放浪芸(小沢昭一)
15年ほど前に下高井戸シネマで開催された小沢昭一映画祭で、小沢昭一さんと『話の特集』の編集長 矢崎泰久さんとの対談を観て以来、放浪芸の世界に夢中になりました。全国津々浦々へ膨大な取材をこなし、貴重な音源まで収録した放浪芸。現在ほとんど姿を消したため、後世に残す資料としても十分に価値があります。夏は放浪芸の季節ですね。
⃝ムッシュ!(ムッシュかまやつ)
日本でいちばん素敵なギターを弾く人だと思います。ロック、フォーク、カントリー、ジャズ、R&B、ファンクなど、すべてのジャンルでヒット曲を作った才能の持ち主にもかかわらず、誰にも愛される親しみやすいキャラクター。いつもニコニコしながら、若いミュージシャンとセッションを重ね、日本の音楽シーンに風穴を開けてきました。センスの良さと人の良さがここまで比例する人をほかに知りません。最後までブリティッシュに憧れ続けた、生粋のジェントルマン。『どうにかなるさ』と『ゴロワーズを吸ったことあるかい』は名曲です。
⃝ふたりの山小屋だより(岸田衿子 岸田今日子)
文才に恵まれた姉妹による軽井沢の別荘でのエッセイと日記。『アルプスの少女ハイジ』や『赤毛のアン』の作詞を手がけ、数多くの絵本を手がけた衿子さんと、初代『ムーミン』の声を務めながら映画『砂の女』や『八つ墓村』をはじめ、数々の映画や舞台で活躍した今日子さん。掲載されている古い写真が素晴らしく、最後に衿子さんの元夫でもある谷川俊太郎さんを迎えた3人の濃厚この上ない座談会が楽しめます。夏の軽井沢に行ってみたくなります。
●生きる(1952年/日/黒沢明)
とにかく志村喬が好きです。『男はつらいよ』や『七人の侍』の演技も素晴らしいですが、400本を超える出演作のうち、唯一の主演映画が『生きる』です。観終わった瞬間に「そうだ、今すぐに何かやらなくてはいけない!」という気持ちにさせてくれる映画です。65年も前の作品ですが、今の時代にそのまま当てはまりそうな、切なさと焦り、悲しみを通り越した怒りや苛立ちが一挙に味わえる不朽の名作。

*いつか男同士サシでビールを飲みたい人。今回の選書もなんか昔のものばかりで、昭和をキーワードにした僕とおんなじ匂いが、、、気のせい?

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17.
我妻 詩穂子
キネマ旬報シアター
http://www.kinenote.com/
⃝ぼくを探しに(シェル・シルヴァスタイン)
誰かにプレゼントしたくなる一冊です。
⃝深夜特急(沢木耕太郎)
旅に出たくなる一冊です。
⃝夜のピクニック(恩田陸)
●この世界の片隅に(2016年/日/片渕須直)
GWに上映致しました本作ですが、当館でも沢山のお客様にお越しいただきました。お客様の声にお応えしてアンコール序上として7月22日より再上映いたします。原作のコミックもおすすめです。

*月舟シネマとダブります。近所に良質の映画を公開してくれる小さな映画館があるという環境って、そうそうないよなあ。ありがたし。最近は滑り込みで「人生フルーツ」観て涙しました。

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18.
Pippo
近代詩伝道師
http://blog.livedoor.jp/pipponpippon/
⃝ウニはすごい バッタもすごい/デザインの生物学(本川達雄)
生物をみてて、ふと「なぜこんなにも奇抜な色や造形、デザインをしてるんだろう」と可笑しくなることがある。生物・昆虫には、自意識や個性主張といった概念はない(たぶん)。さらばなぜ? 本書を読むと、これは生物たちがおのれの実存を賭した、ファニーで必死な生存戦略なのだ、ということを、まざまざと思いしる。全動物のなかで七割以上のシェア(種・数)を誇るという「《昆虫》大成功の秘密」に感心したり。「天敵から攻撃をうけたアサリは通常の筋肉より25倍も強い力を長時間出しつづける」など、知られざるアサリのタフネスっぷりにも惚れる。
⃝青じその花(山崎方代)
おのずからもれ出る嘘のかなしみがすべてでもあるお許しあれよ 
───
生涯、家をもたず、家族をもたず、歌のみに生きた漂泊の歌人・山崎方代の晩年の随筆集。
晩年は、鎌倉の支援者N氏の庭に建ててもらったプレハブ小屋で暮らしていた方代さんだが、裏の鎌倉山でとれた山菜をおかずにしたり。すきな酒や煙草をのみ、慕ってくる友人・知人たちと交流をし。力いっぱい歌を作り。みてると、胸がほこほこしてくる。他者と自分をくらべない。持たないことを不幸と思わない。自分を、他者をさげすまない。人間や自然の、あるがままを喜び、愛する。これだけで、人間どれだけ、幸せになれるか。体をはって、示してくれてるように感じる。
⃝食物アレルギーと生きる詩人の物語(S.ビーズリー/桐谷知未訳)
《アレルギーは気まぐれな獣だ。けれど、食物アレルギーを持つ人たちは犠牲者ではない。わたしたちはよくも悪くも、世界をほんの少しずつ違う形で経験している。》
生まれたときから、重度の食物アレルギーと戦い、つきあい続けてきた著者とその家族。彼女にとって、それは生死に関わる切実な問題だ。「えんどう豆なんか大嫌い!」、数少ない食べられるものの中で、それでも自分が他の人のように好き嫌いを言ってもいいんだ!と気づいたのは15歳の時。凛とした言葉で、率直に語られるさまざまが胸にずんとくる。
いままでの自分の想像力の欠如(このような方々への配慮、圧倒的な思いやりの足らなさ)に。すまなく思った。
●ポエトリー アグネスの詩(2010年/韓/イ・チャンドン)
闇の底で汚泥を這うような生のなかでも。美しいものや醜いもの、それらを詩に書いてみようと思う心や、詩を読もうとする思いは光で。どんな場所でも、その人を照らすのだなあ、と。

*Pippoさんが海津研さんの個展中に開催してくださった「Pippoの ポエトリーカフェ 〈鳥の詩〉編」を厨房から聴いたことで、その後、店の本棚の詩のコーナーが増えたことは言うまでもありません。

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19.
秋元佐予
オキクルミ
http://sayoyo.wixsite.com/okikurumi34/menu
⃝アグニヨガ
⃝マイトレーヤの使命(ベンジャミン・クレーム)
⃝Talking with Angels(Gitta Mallasz)

いずれも、入手不可もしくは困難です。
誰も読まないんじゃないのかなあ、、、
●アレクセイと泉(2002年/ 日/ 本橋成一)

*朝市「香取さまで会いましょう」の主催者。次回は残暑厳しい9月2日(土)の予定。青空古本市も同時開催月です。

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20.
相馬 英里
そうま農園
http://somanoen2013.blog.fc2.com
⃝夏に凍える舟(ヨハン・テオリン)
北欧のミステリ。世界にはいろいろな夏があるんだなあと、30年前の「やかまし村」を読んだ時と同じように、進歩なく思いました。でも、4部作の最終巻です。
⃝夏のロケット(川端裕人)
何年か前の夏、仕事を辞めました。たくさんの辞めるきっかけの一つになっていたかもしれないなあと思い出しました。
⃝料理歳時記(辰巳浜子)
「暑いですね~」と、大人のたしなみとしてうんざり言えますが、夏大好きです。でも、秋が来ても良いかもと思えます。
●紅の豚(1992年/日/宮崎駿)
海の青色が夏でした。ずっと、暑いときもそうでない時も昼間っからビールをのんで、ごろごろして本を読んでいられる世の中でありますように。

*朝市で野菜を売っている片隅で小さく遠慮がちに並べられている「そうま文庫」はお仕事柄か、「食の本」多し。

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21.
古谷田 奈月
小説家
⃝あの素晴らしき七年(エトガル・ケレット)
紛争とともにある書き手、痛みと苦しみにユーモアで応戦する書き手によるエッセイ集。大笑いして読んでいたはずが、気が付くと涙している。ユーモアはヒューマニティ、私たちの最後の希望。この本の素晴らしさは、人間という生き物の素晴らしさとイコールだと思う。
⃝供述によるとペレイラは……(アントニオ・タブッキ)
ファシズム批判だけれど、「こんな時代だからこそ」みたいなクリシェとともにどうか語られませんように、と願います。一人の人間から、真の言葉が生まれ出る瞬間の、その尊さを描いた作品なので。ずっと無署名で書いていた記者が、終盤、とうとう自分の名を記すときの迷いなさと静けさは本当に感動的。個人の人間とは、こうして生まれ出るのだと。
⃝家守綺譚(梨木香歩)
古風な書きぶりで「怪」を扱っているけれど、幻想物語にありがちな作り物感はなく、美しい文章に身を委ねているうちにいつしか此岸と彼岸の境界の溶け合った中に漂っているような、柔らかな感覚に包まれ、その安らぎにいつまでも浸っていたくなる。この世で何事かを成し遂げたいという思いと、人の世など捨て魂にのみ忠実に生きたいという思い。人の心に一度は宿るその対立を静かに描いた作品でもある。
●大いなる西部(1958年/米/ウィリアム・ワイラー)
西部劇の姿をしたアンチ西部劇。開拓地の景観、カウボーイハット、曲乗り、決闘、と西部劇に期待されるものはおそらくすべて揃っているが、一番の盛り上げ役であるはずの主人公がそこに決して馴染まないことで、古き良き西部劇が見事までに破綻していく。この映画が撮られたとき、アメリカは冷戦中だった。パイオニアの血を誇りに他国を睨み付けていたアメリカの愛国者たちは、愛国心と地続きにある西部劇の中で、その愛国心を今一度見直すよう迫られたのだ。今、まさに愛国心の持ちようを問われている私という日本人の目に、六十年も前のこの映画はまるで最新作のように映る。

*「星の民のクリスマス」で第25回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。今年発売された「リリース」は三島由紀夫賞候補に。

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22.
小川 奈緒
編集者/文筆家
http://tabletalk.cc/blog/
プールや芝生、そこに照りつける強く熱い午後の日差し。そんな夏のイメージを喚起する短編集を選んでみました。
⃝プールサイド小景・静物(庄野潤三)
おだやかで平凡に見える家族の日常に潜む、脆さや危うさ、せつなさと息苦しさ。作者の真骨頂であるリアリズムに貫かれた文体が光る短編を7本収録。表題作をはじめ夏を舞台にした話が多く、和室の畳や縁側に寝そべりながら、クーラーではなく扇風機やうちわで体に風を送り、それでもじっとりと額に汗を浮かべて読むのが似合う短編集。
⃝中国行きのスローボート(村上春樹)
このなかに収録されている『午後の最後の芝生』は、文章を追いながら、同時にさまざまな夏の音を聞きつづけている感覚におちいる短編。トランジスタ・ラジオから流れてくるロックンロール、芝刈り機の振動、手作業で芝生を刈っていくハサミの音、強い日差しがじりじりと肌を焼きつける音、芝生の家の女主人がつくるウォッカ・トニックの氷がカラカラと揺れる音……なるほど、四季のなかで夏ほど「音」を感じる季節はないのだ、と気づきます。
⃝芝生の復讐(リチャード・ブローディガン)
ブローディガンの文章を読んでいると、「はたして自分はこれをちゃんと理解できているのだろうか」とどこか不安になるのだけれど、そんなところも含めて、他の作家にはない独特の緊張感があります。なかには見開きで終わるほど短い散文詩のような作品もあるのに、その文章が描き出すイメージはくっきりと濃厚で映像的。「短編という読み物のカッコよさ」が肌でわかるような一冊。
●夏物語(1996年/仏/エリック・ロメール)
名匠エリック・ロメールが描く、フランス人のおしゃれな会話劇に魅了されて、もう四半世紀。『春のソナタ』『夏物語』『恋の秋』『冬物語』から成る四季の物語はいずれも甲乙つけがたい名作ぞろいだけれど、めずらしく男性が主人公の『夏物語』は、魅力的な女性たちのあいだでアタフタする優柔不断な男子の姿がなんともほほえましい1本。夏の夜、ワイン片手に気楽な気分で見るのにぴったりの映画。

*つい先日、「こころに残る 家族の旅」を出版されたばかりの小川奈緒さん。ホッとしていらっしゃる頃でしょうか。ワハハワハハとテーブルトーク希望です!

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23.
井出 恵子
派遣社員
⃝宝島(ロバート・ルイス・スティーブンソン)
夏は大きな船に乗って、大人も子どもも冒険に出よう!
⃝波に乗る(はらだみずき)
疎遠になっていた父の突然の死によって知らされた、海辺での父の一人暮らし。父は孤独死だったのか。残されたメッセージが静かに優しく温かく心に響きます。
⃝白菊-shiragiku-伝説の花火師・嘉瀬誠次が捧げた鎮魂の花(山崎まゆみ)
なぜ、花火で泣けるのか。花火師の評伝、ノンフィクションですが、我孫子市民図書館には「工業」の分類に置かれています。
●ユージュアルサスペクツ(1995年/米/ブライアン・シンガー)
主演 ガブリエル・バーン、ケビン・スペイシー
ラストシーンにしばらく呆然とする快感は、夏にぴったりだと思います。

*いつもご主人を遅くまで引き留めてしまい申し訳在りません(笑)イギリス文学茶話会も大詰めです!

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24.
小林 徹也
ミュージシャン
https://www.tetsuyakobayashi.net
⃝洞窟おじさん(加村一馬)
タイトルを裏切らない素晴らしい1冊。生きる力が湧いてくる。子供たちの夏休みの課題図書に是非!
⃝東京奇譚集(村上春樹)
一話目の「偶然の旅人」を時々読み返したくなります。すぐそばで今日もこんな出来事が生まれているのかもしれないなあって、そんな風に思います。
⃝アルケミスト 夢を旅した少年(パウロ・コエーリョ)
英語で読んだ初めての本。時間がいっぱいかかった分、より意識に残った気がします。選ぶこと、手放すこと、信じることを羊飼いの少年から教わりました。
●TRACKS/奇跡の2000マイル(2013年/豪/ジョン・カラン)
1977年にオーストラリアの砂漠をラクダに乗って横断した女性のお話。静かでとても美しい。オーストラリアって黄泉の国かもしれない。

*ほんとに風のような人。そして地球規模の行動力!

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25.
内山 章
建築家
http://saa-jp.com
⃝キッチン・コンフィデンシャル(アンソニー・ボーディン)
マンハッタンで雇われシェフとして多くの有名店で勤めた筆者の自伝的コラム。とにかくこんなに次のページをめくるのにワクワクした本はなかった。ビーガンをF◯CKと追い返したり、日曜日のランチを絶対にレストランで食べてはいけない理由や、刺青だらけの荒くれ者の巣窟のキッチンで日々何が’起こっているかなど、美味しいものが絶対の正義と、悪態をつきながらも料理への愛情がこれでもかと溢れていて、食いしん坊の自分にたまらなく楽しかった350ページ。装幀も最高。
⃝私は彼の私(片岡義男)
なんでもよかった。ただタイトルが特に好きだからこれを選んだだけ。はっきり言って片岡義男ならどれでもいい。なんでもいいから夏に読んで欲しい。
⃝約束のない絆(パルカル・キニャール)
よくいう恋愛小説とはまったく違うけれど本当に美しい恋愛小説。自分の中でのフィクションの評価はどれだけ想像力の飛距離が得られるか。全く今まで想像したことのなかった景色をイメージさせてくれたし、物語の展開も、登場人物の描き方も全てが新鮮だった。ここ最近抜群に面白かった久しぶりのザ・海外文学。
●パリ3区の遺産相続人(2014年/英仏米/イスラエル・ホロビッツ)
パリの不思議な不動産の制度をストーリーの軸に書かれた珍しい映画。爽やかで満足の読後感を味分ける映画だけれど、一箇所、震えるほど感動した場面が。それは主人公がカマをかけて相談したベテラン不動産屋に家の場所を聞いた時に「パリの動脈さ」と答えるんだけれど、実際にその不動産屋の住まいはセーヌ川のボートハウスだったという場面。パリの不動産に精通しているはずの人間が選ぶ住まいがボートハウス。なんて自由なんだろうと。それもかなりイカしたボートだった。次点で迷ったのは「マグノリア(1999年)」。映像が良くて音楽がイケてて完璧でとことんクレイジーなフィクション。これぞ映画だと思える作品。空からものすごい数のある「もの」が降ってくるシーンなんてバカバカしくて本当に最高 嫌いな人は思わず声をあげるかもね笑

*NLCBの店舗設計及び僕たち二人のお悩み相談所。最近、我孫子でも面が割れてきている。やよい軒の唐揚げ蕎麦が好きらしい。

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26.
濱元 恭子
フリーランスライター(ハワイ在住)
http://www.hawaii-arukikata.com/blog/kyoko
⃝路傍の石(山本有三)
小学校高学年のときに読み、主人公の父親と自由人だったワタクシの父が重なり、ひどく感情移入してしまった忘れられない本。信じる道を進む作者の山本有三は(検閲などの理由から)途中で筆を置いてしまい、旅の途中でひとり置いてきぼりにされてしまったような気がしていましたが、未完で終わるという前代未聞のこの小説は、ワタクシにいろいろなことを考え、想像させる機会を与えてくれたんだな、と早くに出会えたことを嬉しく思います。
⃝ナポレオン狂(阿刀田高)
夏だから、やはり怖いお話。お化けもゾンビも出て来ませんが、リアルな人間の怖さがじわじわと迫ってくる阿刀田高の作品は“怖面白く”、中でも好きなのが「ナポレオン狂」。あえて説明されてない部分が非常に恐ろしい。同短編集に収められている「訪問者」も、ラストでゾッとさせられます。
⃝黄色いマンション 黒い猫(小泉今日子)
丙午生まれの同い年、同郷で、しかも名前が同じということもあって、デビュー当時からキョンキョンに対しては憧れと羨望、そして図々しくも対抗心を抱いてきました。そんな彼女が(ワタクシもだが)50歳を迎えた昨年に発売されたエッセイ集。強くて弱い、自分に素直な彼女が紡ぎ出す文章に、小泉さん(もうキョンキョンなんて馴れ馴れしく呼べません)に対する対抗心などはもはや消え去りました。何度も読み返したくなるエッセイ集です。
●ワンダーウーマン(2017年/米/パディ・ジェンキンス)
とにかく主人公が美しい。ワタクシが「今度生まれ変わったらこんな顔になりたいリスト」のトップに選んだ美しさです。そんな美女が悪いヤツをどんどんやっつけてくれる、気分爽快なスーパーヒーロー映画です。(日本公開8月25日)

*マーボーが恭子さんのブログの読者でできたご縁。いつになるかわからないけどハワイに行った時はよろしくおねがいいたします!

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27.
エハガキ華
絵葉書収集家&絵描き
http://jadranskomore.blog102.fc2.com
⃝アヘン王国潜入記(高野秀行)
ビルマ(ミャンマー)の反政府ゲリラ支配区、世界最大のアヘン生産地に潜入し、実際に1シーズンのケシ栽培を体験した著者のルポ。最近読んだ中でとても興奮した1冊です。
⃝赤線跡を歩く(木村聡)
赤線というのは、昔、売春防止法が施行される前に、公認で売春が行われていた地域の俗称で、そういう地域には今でも、タイル張りやアールのついた門柱など、カフェー建築と呼ばれる独特の艶かしく美しい建物が残っている場所があります。どんどん消えゆく運命なのですが。そういうのを、たくさんの写真とともに紹介した本です。
⃝世界大博物図鑑 別巻2 水生無脊椎動物(荒俣宏)
美しい博物画を配した本当に圧倒的な図鑑のシリーズなんですけど、全5巻+別巻2冊ある中で、この「別巻2」を選んだのは私がエルンスト・ヘッケルの博物画が大好きだからです。歴史や民俗学など生物学にとどまらない情報を網羅した解説文も驚異的。
●UFO少年アブドラジャン(1992年/月/ズリフィカール・ムサコフ)
不覚にも心温まってしまう…ソ連時代のウズベキスタンで撮影された、チープなつくりのSF映画です。UFOを吊ってる糸が見えます。

*今年も実に華さんらしいチョイス!と言うか華さんにしかできない選書です!9月からのケイコさんとのイベントもたのしみにしてます!

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28.
ダフナ・アヴィダン(Dafna Avidan)
アーティスト
⃝窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子)
TOTTO-CHAN, The Little Girl at the Window. By Tetsuko Kuroyanagi. I’m always happy to find a Japanese novel translated to English and this book is my favorite. I love to read about this special full of love school and wish all schools were like that.
⃝Memoria por correspondencia(Reyes Emma)
“Memoria por correspondencia” by Reyes Emma. I read it translated to Hebrew. It is a beautiful amazing story made of 23 letters of a Colombian lady artist. I can read it again and again.
⃝Parnassus on Wheels(Morley Christopher.)
”Parnassus on Wheels” by Morley Christopher. It is a book for summer about freedom and the love of books.
●シュガーマン 奇跡に愛された男(Searching for Sugar man)(2012年/典英/マリク・ベンジェルール)
Searching for Sugar man” a 2012 documentary by Malik Bendjelloul about the musician Sixto Rodriguez. I love the unique style and love the music!

*僕たち二人して、いつもチャーミングなダフナさんのファンです!いつかNLCBでもイベントしてくれないかなあ、と呟いてみる。

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29.
大石 健太郎
日本オーウェル協会前会長
⃝嵐が丘(エミリー・ブロンテ)
荒涼としたヨークシャーのヒースの繁る原野を背景に、繰り広げられる壮絶な物語、主人公ヒースクリーフのキャサリンに対する熱烈な愛情、そしてこの凄まじい復讐劇の結末は読む人を驚嘆させる。陰惨でありながら、その人間味は読者を魅了して止まない。高邁な浪漫主義と精緻な写実主義とをある種の神秘主義で貫いた一大散文詩と言ってもいい名作である。
⃝アウルクリークの事件(アンブローズ・ビアス)
「いのち半ばに」(岩波文庫)所収。唖然とする結末。こんな小説があったのかと読者を驚嘆させる出来の名作である。人の死の最後の瞬間、この短い瞬間に去来する人世、読む人を深く考えさせられる名作であると思える。そのほかの作品も皆考えさせられるものばかり、珠玉の短編集である。私の人生でも一番影響の大きかった作品である。
⃝滝口入道(高山樗牛)
明治文学の名作、若き学徒の書いたものとは到底思えぬ名文、華麗な文語体小説。ストーリーは単純ながらその流れは人の心に深く染み込んでくる。私はこれを一生懸命に暗記したことを思い出す。是非一読を。
●歌劇王カルーソ(1951年/米/リチャード・ソープ)
オペラ映画、歌劇王カルーソの生涯を描いた伝記映画であるが、私をオペラの世界に誘い込んでしまった思い出の作品である。マリオ・ランツァの絶唱は今も私の心に深く残っている。古い映画だが是非とも一見の価値ある名作だと思える。

*大石先生のイギリス文学茶話会もいよいよ次の次くらいに、ご専門「ジョージ・オーウェル」の回がやってきます!楽しみだ!

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30.
海津 研
美術作家
http://blog.livedoor.jp/kaizuken1/
⃝星の民のクリスマス(古谷田奈月)
夏休みに何故かクリスマスの話ですが、考えてみれば南半球のクリスマスは夏です。父親から贈られた子供向けの物語を生真面目に拡げながら成長してゆく娘の姿が愛らしい。
⃝誰も知らない小さな国(佐藤さとる)
子供の頃に出会った特別な場所。大人になってもそこを守ろうとする主人公の行動が、土地を買おうとしたりと具体的なのに驚きました。その土地を巡る出会いがあり、小人たちがそれを見守る。この世界にはこんな誰かにとって特別な場所があちこちにあるのだろうな、と思いました。
⃝琉球怪談〜七つ橋を渡って〜(小原猛)
沖縄で著者が収拾した実話怪談集ですが、日常のすぐ隣にある目に見えない世界の存在を感じさせてくれる物語です。沖縄戦や、東日本大震災に関する怪談もあり、生者と死者の繋がりを感じさせてくれます。
●フィオナの海(1994年/米/ジョン・セイルズ)
アイルランドのセルキー(アザラシの精)伝説をもとにした映画。高度な特撮などしてないのに、セルキーが皮を脱いで女性に変わる場面の艶かしさにハッとします。少女フィオナとアイルランドの風景、音楽すべて好きです。DVD化はされてないようですが、原作の小説などは手に入るかと。

*秋にはNLCBで4回目の個展を計画中!次回はどんな海津ワールドを見せてくれるか。

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31.
丸山 順
Shop ねこぜ
⃝28年目のハーフタイム(金子達仁)
暑い夏が来るとあの熱い夏のことを思い返す。
スポーツルポルタージュの金字塔!
⃝ボタニカル・ライフ―植物生活―(いとうせいこう)
すっかり園芸オジサンになってしまった。
植物男子ベランダーも全て観てしまった。
⃝何でも見てやろう(小田実)
少しばかり遅い気もするが、定年後は旅に出よう!本書を携えながら。
●ラストエンペラー(1987年/伊中英/ベルナルド・ベルトリッチ)
「甘粕大尉」角田房子も併せてどうぞ。

*現在NLCBでは、丸山さんの静かなるイベント「9albums」展示中です。見るだけでもよし、9枚レコード盤を抱えてくるもよし。

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32.
松田 昌江
ノースレイクカフェ&ブックス
⃝いちげんさん(デビット・ゾペティ)
京都を舞台にしたスイス人大学生と視覚障害者の日本人女性のラブストーリー。細やかな感情表現や京都の佇まいを外国人の作家さんが日本語でこんなに表現出来るなんて驚きです。京都に行きたくなります。
⃝ブラウンシュガーキッチン(ターニャ・ホーランド+ジャン・ニューベリー)
アメリカ ウェストオークランドにあるレストラン「ブラウンシュガーキッチン」は地元の人たちのコミュニティの柱、地元の食材を生かして作られた料理は人々の1日を正しく始めるためにはなくてはならないもの。いつかこのレストランを訪れてみたいです。
⃝心地よさのありか(小川奈緒・小池高弘)
著者である小川さん、小池さんご夫妻はノースレイクカフェのお客様でもあります。古民家を改装したご自宅はお二人のそれぞれの居場所、家族やお友達が集う場所がなんとも心地よい空気に包まれているそんなステキなお宅でした。何気ない日常、でも背筋がピンとした暮らしは私たちのお手本です。
●マグノリアの花たち(1989年/米/ハーバート・ロス)
アメリカの南部の小さな町を舞台に固い友情で結ばれた女性たちの何気ない日常を描いたお話。25年程前に美容室で見た雑誌で俳優の柴田恭兵がこの映画を紹介していたのがきっかけでまずVHSのビデオで購入してその後DVDを買い直したぶん100回以上見ています。

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33.
松田 拓巳
ノースレイクカフェ&ブックス
ことしの夏の自分はなぜか「昭和」を渇望しているようで、そんな3冊+1本に。
そしてどの作品にも魅力的な店が登場する。
◯去年の夏、ぼくが学んだこと(片岡義男)
「ガロータ」というジャズバー、店主は営業日に自宅で選んだ20枚のジャズのレコードをスーツケースに入れて持参して店で流す。「梢」というスナックのママは「ついに来たのね」「私をさらいに来てくれたのね」などと言って主人公を歓迎したりする。主人公がフリーのライターから小説家への道を歩み始める話を軸に。片岡義男の自伝的作品とも言われている。
◯それからはスープのことばかり考えて暮らした(吉田篤弘)
「3」とだけプリントされた茶色い紙袋を使うサンドイッチ屋「トロワ」。隣の町のこじんまりした商店街にひっそりと佇むようにある名画座「月舟シネマ」主人公「僕」が越して来た町での日々を。文庫の巻末にはスープの作り方も。個人的には屋根裏のマダムが好き。
◯寺内貫太郎一家(向田邦子)
向田邦子は自分のお父さんを描きたかったのだそうだ。出版の時期はテレビドラマスタート時より遅いけれどもちろん先にできていた幻の長編。落ち込んで一人になって飲みたいときには美人のお涼さんがやってる飲み屋「霧雨」へ。テレビドラマでは篠ひろ子がお涼さん♡テレビドラマも配役の妙、梶芽衣子、伴淳三郎、左とん平、由利徹ら脇役陣が素晴らしい。久世光彦の手腕か。前略おふくろ様と共にしっかり見直し、今後の自分に生かしたい(笑)
●映画 深夜食堂(2014/日/松岡錠司)
我が家にはテレビがないという環境下で「深夜食堂」の存在を知ったのはことしの初めだったか。夢中になってアマゾンプライムで ドラマを観た。映画もよかった。松岡監督は好きだった「バタ足金魚」の監督。最後まで悩んだ次点はニューオーリンズの光が眩い「A Love Song for Bobby Long」再訪したい街。
楽しく読める本や楽しく観ることができる映画にはいい店が出てくる。そんな店が近くにあれば嬉しいし、いつかは誰かのそんな店になりたい。

おまけ

選出回数ベスト5(過去3回の)
☆作家編☆
1 6回 池澤夏樹
2 5回 庄野潤三
3 4回 星野道夫、谷川俊太郎、片岡義男、村上春樹
4 3回 梨木香歩、アントニオ・タブッキ
5 2回 ブローティガン、ナボコフ、カミュ、コエーリョ、三浦しをん、沢木耕太郎、宮本常一、夢枕獏、下田昌克、宮沢賢治、石川直樹、山本周五郎、開高健、高野秀行、スティーブンキング など

あまから随筆とふるさとの味

食に関するの随筆2題。

「あまから随筆」は当時大阪で刊行されていた「あまカラ」という月刊雑誌に書かれた随筆の中から選ばれた珠玉集。
谷崎潤一郎、佐藤春夫、里見弴、正宗白鳥、福原麟太郎、草野心平、河上徹太郎、獅子文六、吉屋信子、中村汀女、中里恒子、吉田健一ら錚々たる顔ぶれの文章や嗜好が楽しめます。河出書房

あまから随筆にも文を寄せている森田たまの随筆「ふるさとの味」はカバーにも登場しているザリガニのことから、当時の政治のことにも話が及ぶ随筆集。たまは、数年後に参議院議員に当選している。ミリオンブックス

今の味気ない新書の装幀と比べて、なんとも味のある佇まい。
ともに昭和31年(1956年)発行。

私ごとですが「昭和」が気になってしょうがない昨今、
昨夜はこんな映画を発見しました。
若尾文子はともかく岸田今日子の艶かしいこと、、、
今夜は続きを見ようと思います。
https://youtu.be/col_Ny83C8U

良い週末をお過ごしください。

居 酒 屋

ここ数ヶ月なぜか「居酒屋」がマイブームである。
呑んだくれているわけでもなく、居酒屋通いしているわけでもない。
気分の話、、、

多分きっかけは、お客さんから買い取りさせていただいた物件の中に
混じっていたのあのネペンテスが作るNEPENTHESという雑誌( 、、、雑誌なのかな?)と思われる。
#5の巻頭特集が太田和彦さんの記事。
資生堂でバリバリのグラフィックデザイナーだった太田さんが
居酒屋の虜になっていく様子が描かれている。
モダンとアナクロの両極を楽しむ。

自分も歳のせいなのかわからないけど、
新しい事象よりもどこか懐かしい気分になれる場に惹かれる。

(しかしこだわりのある服作りのネペンテスの姿勢がこの雑誌にも現れていて脱帽です、濃いー内容、そして英文の対訳つき!第2特集は遊歩大全を翻訳している芦澤一洋!だったし。このNEPENTHES、まだ出版されているのでしょうかね?)

同じ時期に、、、

ア◯ゾンのプライム会員が無料で観ることのできるリストにあった
「深夜食堂」ドラマ30話を全部。年末年始の帰宅後の楽しみだった。
我が家にはテレビがないので、パソコンで一日2本とか。
こんな店が近くにあったらという視点ももちろんあるんだけど
「マスター」というやはり共通項があったりするので
そういう視点でも、、、面白かった。

昨日、映画の方も鑑賞。
ドラマと違う配役だったり雰囲気違ったら嫌だなあと
思っていたけど、そんなこと全くなく、想像以上によかったです。
映画もドラマも監督は松岡錠司。
バタアシ金魚チームの高岡早紀や筒井康隆も出演しているところも
なんか、懐かしく!
ストーリー的には多部未華子のパートが好きです♡

映画のパート2も昨年11月にロードショーだったのですね。
楽しみ。

太田和彦著「居酒屋道楽」に最初に登場するのが
湯島天神下の「シンスケ」
上野で働いている時期が長かったので何度か先輩に連れられてお邪魔させていただいた。
緊張したのを思い出す。

シンスケ80周年を祝う会で四代目の挨拶が書かれているのだが
66周年の時の三代目の言葉を引用している。

「自分に言い聞かせるのは、当たり前のことをきちんとやる、ただそれだけです」

NEW YEAR SALE 1&2

新年になって穏やかな日々が続いていますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
おめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

早速お知らせです。
昨日からささやかではありますが、
古本部門のニューイヤーセールが始まりました!
代休(6日)を挟んで
第1弾と第2弾と続いていきます。
ぜひ、ご利用ください!

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